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「親力」 親野先生コラム 第39回

「机に向かう習慣」ではなく、「紙に向かう習慣」を付けよう(中編)

そして、どんなことに気を付けたらいいのでしょうか?

一言で言えば、遊びの延長として楽しみながら習慣づけるのがコツです。
気を付けるべきは、いきなり飛躍しないで少しずつ進めるということです。

例えば、親がやりがちなこととして、年長の子にある日いきなりひらがな練習のワークブックをやらせる、などということがよくあります。
子育て雑誌で、「入学前にひらがなの読み書きを!」などの特集を読むと、親は急にその気になるからです。

でも、親が急にその気になっても、子どもはその気になってなどいません。
そこで、乗り気でない子どもに無理にやらせるということになります。
親の方には、「子どものためだ」という思い込みがあるので、子どもを叱ってでもやらせようとします。

子どもの方は、「突然どうしたの?」「なんで急にこういうことになるの?」という気持ちでいっぱいです。
それに、急にいろいろ詰め込まれても、一気にできるようにはなりません。
それで、意識の中に、「ひらがな=難しい」「ひらがな=きらい」「勉強=つまらない」という等式ができあがってしまいます。

これでは、いきなり飛躍しすぎなのです。
もっと細かいステップを踏んで、少しずつ進めることが必要なのです。
例えば、ひらがなを教えたいなら、まず最初はひらがなを使った遊びから入ります。
ひらがな積み木、ひらがなカルタ、ひらがなカード、ひらがなパズルなどで、たっぷり遊ぶことです。
そうすれば、自然にひらがなが読めるようになり、ひらがなカードやひらがな積み木を並べて言葉を表せるようになります。
そこで、「ひらがなが読めるんだね」とほめてやります。

そうしたら、次に、ひらがな遊びのワークブックをやるといいでしょう。
ひらがな遊びのワークブックとは、ひらがなを使ったクイズやゲームを集めたものです。
これは、ワークブックという紙に鉛筆で書くことで行われますので、「紙に向かう習慣」「紙に鉛筆で書く習慣」の第一歩なのです。
そこで、「勉強が好きだね」とほめてやります。

その後で、少しずつひらがなを書く練習に入っていきます。
とにかく、無理なく少しずつ進めることが大事です。
そうすれば、意識の中に、「ひらがな=分かる」「ひらがな=好き」「勉強=楽しい」という等式ができあがります。

このように、「紙に向かう習慣」「紙に鉛筆で書く習慣」を付けるには、いきなり飛躍しないで少しずつ進めるのがコツです。
そして、遊びの延長として、楽しみながら「紙に鉛筆で書く」段階へ進めるのです。

算数でも、まずは、実際に物を数える遊びから入ります。
実は、小さな子どもにとっては、物を数えるだけでも楽しい遊びなのです。
大人が少し工夫してやれば、とても楽しい遊びになります。
お菓子を握って持てた数を数えるとか、まっすぐ積み上げられた積み木の数を数えるなどです。

また、百玉そろばんを使えば、楽しく100までの数を数える経験をたっぷりすることができます。
(百玉そろばんなら、もっと小さい子が口に入れてしまう心配もありません)

たっぷり数える経験をしたら、次に、数の遊びのワークブックをやるといいでしょう。
そして、少しずつ勉強の度合いの強いワークブックにしていくのです。

このように、国語でも算数でも、遊びから入って、それを発展させる形で「紙に鉛筆で書く」段階へ進みます。
そして、実は、この進め方は、どんな年代のどんな分野にも応用できます。

親野智可等
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